かんぽ「はじめのかんぽ」に払込免除なしの10歳払込プラン。返戻率105.7%の読み方と、こどもNISAとの違い(2026年10月)

フローリングの床に座った父親のひざの上で、笑顔を見せる赤ちゃん

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かんぽ生命は2026年10月1日、学資保険「はじめのかんぽ」に「10歳払込済18歳満期学資保険(H24)(保険料払込免除なし型)」と「10歳払込済17歳満期学資保険(H24)(保険料払込免除なし型)」を加えました。保険料を子どもが10歳になるまでに払い終えるタイプで、契約者(親や祖父母など)の健康状態の告知が要らず、契約者の加入年齢にも制限がありません。そのかわり、契約者が死亡したときなどの「保険料払込免除」は付きません。

同じ日に、普通養老保険「新フリープラン(短期払込型)」の10年払込20年満期も発売されています。2027年1月にはこどもNISA(0〜17歳が使えるNISAのつみたて投資枠)も始まる予定で、10月1日から各社で口座の受付が進んでいます。教育資金をどこで準備するか迷う家庭に向けて、新プランの仕組みと、公式資料から読める学資保険とこどもNISAの違いを並べます。

目次

何が加わったか:払込免除なし型の10歳払込プラン

かんぽ生命の別紙資料によると、これまで同社の学資保険は保険料払込免除がある型だけを扱っていました。払込免除とは、契約者が死亡したとき、または病気やケガで同社所定の重度障がいの状態になったときに、その後の保険料の払込みを免除する仕組みです。今回の新プランはこれが付かない代わりに、契約者の告知を不要にしています。同社は保険料払込免除なし型の学資保険を2016年6月に販売停止しており、今回は「はじめのかんぽ」のラインナップ拡充としてリニューアル発売した、と説明しています。

「はじめのかんぽ」には、もともと保険料を10歳で払い終えるタイプ(払込免除あり型)があります。今回加わったのは、その10歳払込タイプの「払込免除なし」版です。公式の商品ページでは、対象は「大学入学時」の学資金準備コースとされ、小・中・高の入学時にも受け取る学資祝金付のコースや、21歳満期のコースには払込免除なし型の記載はありません。

新プランの主な取り扱い(公式の記載)

項目 保険料払込免除なし型(新) 参考:払込免除あり型(10歳払込済18歳満期)
保険期間 17歳満期または18歳満期 17歳満期または18歳満期
保険料払込期間 10歳まで 10歳まで
契約者の加入年齢 制限なし 18〜65歳
被保険者(子)の加入年齢 0〜5歳 0〜5歳
加入できる保険金額 50万円〜700万円(10万円単位) 50万円〜700万円(10万円単位)
契約者の告知 不要 必要
被保険者の告知 不要(総合医療特約・先進医療特約を付ける場合は必要) 不要(特約を付ける場合は必要)
保険料払込免除 なし あり
出生前加入制度 取り扱いなし 取り扱いあり

被保険者の加入年齢は、進学時期に合わせて学資金を支払うため、出生日の直前の4月2日に生まれたものとして計算します。たとえば2月10日生まれの子は、前年の4月2日生まれとみなされます。

お金が出るのは満期と、子どもが亡くなったとき

新プランの基本契約で出るお金は2つです。子ども(被保険者)が生存中に保険期間が満了したときの満期保険金(基準保険金額と同額)と、保険期間中に子どもが死亡したときの死亡給付金です。死亡給付金は、すでに払い込んだ基本保険料相当額と、基本契約の積立金(責任準備金)の額のうち大きいほうで、受取人は保険契約者です。約款では、保険金受取人を保険契約者以外の人に変更することはできないとされています。

満期保険金を受け取る時期は、17歳満期が高校2年(契約日が4月1日の場合は高校3年)、18歳満期が高校3年(契約日が4月1日の場合は卒業後)です。公式の商品ページは、高校2年の時点で受け取れるプランを、学校推薦型選抜や総合型選抜などの入試に備えるものとして紹介しています。途中で学資祝金を受け取る仕組みはなく、受け取りは満期の1回です。仕組み図には、満期時の契約者配当金も描かれています。

特約は、災害特約、傷害医療特約、総合医療特約、先進医療特約を付けられます。総合医療特約を付ける場合、または総合医療特約に加えて先進医療特約を付ける場合は、子どもの健康状態などの告知が必要です。

返戻率105.7%の数字を読む

かんぽ生命の別紙資料には、次の保険料例が載っています。返戻率は「基準保険金額÷保険料払込総額×100(小数点以下第2位を切捨て)」で計算されたものです。

公式例(10歳払込18歳満期、基準保険金額300万円、被保険者0歳加入・男性、口座払込み) 月額保険料 返戻率
基本契約のみ 23,640円 105.7%
総合医療特約(R04)を付けた場合 25,470円 98.1%

基本契約のみの例で、月23,640円を10年(120か月)払うと、払込総額は283万6,800円になります(公式例の保険料からの計算)。満期保険金300万円との差は16万3,200円で、これが105.7%の中身です。払い終えるのは子どもが10歳のときで、受け取るのは17歳か18歳のときなので、払い終えてから受け取るまでに7〜8年の間があります。

読むときに押さえておきたい点を並べます。

  • 返戻率の計算には、基準保険金額と保険料の総額だけが使われています。満期時の契約者配当金は計算に入っていません。
  • 特約を付けると、その保険料も払込総額に入るため、公式例では98.1%と100%を下回ります。特約の分は、子どもの病気やケガへの保障の対価です。
  • 満期保険金の額は契約時の基準保険金額で決まっています。受け取る額が金利や物価に合わせて増えたり減ったりする仕組みではありません。
  • 返戻率は、満期まで続けた場合の数字です。公式ページは、途中で解約した場合の解約返戻金は多くの場合、保険料払込累計額を下回る(まったくないこともある)と注意しています。
  • 公式の保険料・戻り率は2026年10月1日現在のもので、基準保険金額、保険期間、加入年齢、性別、払込方法などで変わります。

払込免除あり型と並べた公式例

2026年10月の新商品特設ページには、払込免除あり型と免除なし型を並べた例があります。条件は、基準保険金額(満期保険金額)100万円、契約者が満65歳の男性、被保険者0歳、口座払込み・月払いです。

公式例(契約者65歳男性・100万円) 月額保険料 保険料払込総額 戻り率
払込免除あり型 8,280円 993,600円 100.6%
払込免除なし型 7,880円 945,600円 105.7%

払込免除あり型の保険料には、契約者に万一のことがあった場合に以後の保険料が免除される保障の分が含まれます。この例は払込免除あり型に入れる上限の65歳の契約者で比べたもので、契約者がもっと若い場合の払込免除あり型の保険料は、公式の見積もりで確認できます。

「払込免除なし」は、契約者に万一があったとき何が起きるか

公式ページには、契約者が万一死亡などしたときは、契約者を変更のうえ、新たな契約者が引き続き保険料を払い込む必要がある、と書かれています。払込免除あり型なら以後の保険料は免除され、満期保険金はそのまま受け取れますが、免除なし型では、残りの保険料をだれかが払い続けることが前提になります。

約款では、契約者の権利義務を引き継げる人は、父、母、一定の親族など会社の定める人とされています(相続で引き継ぐ場合はこの制限は適用されません)。払い続けるのが難しい場合の選択肢として、約款には次の手続きがあります。

  • 保険金額の減額:減額後の基準保険金額に合わせて保険料が変わります。
  • 保険料払済契約への変更:契約日から2年を経過した後に請求でき、以後の保険料は払わない代わりに基準保険金額が会社の計算方法で変わります。
  • 解約:返戻金は経過した年月数で計算され、払込累計額を下回ることが多い、と公式ページは注意しています。

払込期間が10歳までなので、契約者に万一があったときに残っている保険料の期間は、契約からの経過年数によって変わります。払い終えた後(子どもが10歳を過ぎた後)であれば、追加の払込みはありません。

祖父母が契約者になる場合

公式の資料は、66歳以上の人が孫の教育資金をサポートする使い方を例に挙げています。この場合も満期保険金の受取人は契約者(祖父母)です。公式ページは、受け取った保険金を別の人に贈与する場合は贈与税の対象となる可能性がある、と注意しています。教育資金の一括贈与の非課税制度は2026年3月で新規の受付が終わっており、その経緯は教育資金の一括贈与は2026年3月で新規終了。すでに口座がある人が秋に確認する順番で整理しています。保険金にかかる税金は契約者・被保険者・受取人の関係で変わるため、契約前に「ご契約のしおり」の税金の項で確認できます。

こどもNISAとの違い

こどもNISAは、NISAのつみたて投資枠の年齢要件をなくし、2027年1月から0〜17歳も口座を持てるようにする制度です。金融庁の税制改正の解説と日本証券業協会のリーフレットに整理されています。口座の受付は2026年10月1日から各社で始まっていて、手続きの順番はこどもNISA、10月1日から各社受付。親が9月中にやる順番にまとめています。

新しい学資保険(払込免除なし型)と、こどもNISAの仕組みを公式資料の範囲で並べます。

項目 はじめのかんぽ(10歳払込・払込免除なし型) こどもNISA(2027年1月開始予定)
名義 契約者は親・祖父母など、被保険者は子ども 子ども本人の口座(親権者等が口座を管理)
始められる時期・年齢 2026年10月1日から。子どもが0〜5歳のとき 2027年1月から。0〜17歳
お金を入れる上限 保険金額50万〜700万円の範囲で、保険料は保険金額・年齢などで決まる 年間60万円、非課税保有限度額600万円
入れ方 10歳まで保険料を払い込む 定時・定額の積立投資のみ
使うお金 契約者が保険料を払う 子ども本人に帰属する資金に限られる(親や祖父母の口座の資金で直接買い付けることはできない)
対象 保険契約 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(成長投資枠はない)
受け取る額 満期保険金は基準保険金額で決まっている 運用成果しだいで、元本の保証はない
受け取り・引き出し 満期(高校2年または高校3年のころ)に一括。途中は解約・払済などの手続き 原則18歳(その年の1月1日において18歳の年)まで払出し制限。12歳以降(小学6年の1月以降)は本人の教育費・生活費に充てる場合に所定の書類で払出し可
途中でやめる場合 解約返戻金は多くの場合、払込累計額を下回る 例外以外の理由で払い出すと、それまでの利益・含み益に課税され、口座は廃止
契約者・親に万一があった場合 払込免除なし。新たな契約者が保険料を払い続ける必要 払込免除のような仕組みはない(積立は資金がなければ続かない)
健康状態 契約者の告知は不要。特約によっては子どもの告知が必要 関係しない
子どもが亡くなった場合 死亡給付金(払込済基本保険料相当額か積立金の大きいほう) 保障の仕組みはない
18歳以降 満期で契約は終わる 18歳以上のNISAに自動で移行し、成長投資枠も使えるようになる
金融機関の変更 ― できない(口座を廃止して別の金融機関で開設は可能だが、利益・含み益に課税)

違いが出やすい3つの点

1つめは、受け取る額が決まっているかどうかです。学資保険は満期保険金が契約時に決まっていて、公式例の返戻率105.7%は満期まで続けた場合の数字です。こどもNISAは投資信託の値動きで残高が増えも減りもし、受け取る時点の額は事前に決まりません。

2つめは、お金を動かせる時期です。学資保険は満期に一括で受け取り、それより前にお金が必要になれば解約などの手続きになり、払込累計額を下回る可能性があります。こどもNISAは12歳以降、本人の教育費などに充てる場合に限って払い出せ、それ以外の払出しは課税と口座廃止につながります。どちらも「いつでも自由に引き出せる」仕組みではありません。

3つめは、親や祖父母のお金との関係です。学資保険は契約者が保険料を払い、満期保険金も契約者が受け取ります。こどもNISAは子ども本人の口座で、買付けに使えるのは子ども本人に帰属する資金に限られます。祖父母が関わる場合、どちらでも贈与の扱いが論点になります。

学資保険とこどもNISAは別々の制度で、一方を使うともう一方が使えなくなる仕組みではありません。家計全体での教育資金・保障・親のNISAの役割分担はこどもNISAは2027年開始。親が今やる順番は口座より先でも整理しています。かんぽ生命の会社と商品の全体像はかんぽ生命とは?郵便局チャネルと主な保険の種類にあります。

同じ日に発売:新フリープラン(短期払込型)10年払込20年満期

同じ10月1日には、普通養老保険「新フリープラン(短期払込型)」の10年払込20年満期養老保険(R07)も発売されました。保険料を10年で払い終え、その後も死亡保障が続き、20年で満期保険金を受け取る養老保険です。加入年齢は0〜70歳、保険金額は100万円〜1,000万円(被保険者の年齢で上限が変わる)です。公式ページには、短期払込型には10年払込15年満期もあると書かれています。

公式例(基準保険金額300万円、口座払込み) 月額保険料 返戻率
20歳男性/女性 24,840円/24,780円 100.6%/100.8%
30歳男性/女性 24,840円/24,810円 100.6%/100.7%
40歳男性/女性 24,930円/24,870円 100.2%/100.5%
50歳男性/女性 25,140円/24,990円 99.4%/100.0%
参考:新フリープラン(全期払込)30歳男性/女性 13,170円/13,140円 94.9%/95.1%

かんぽ生命は、男性44歳以下、女性50歳以下で返戻率100%以上としています。こちらは子どもではなく大人が被保険者になる保険で、死亡保障(死亡保険金は基準保険金額)を含みます。返戻率の数字だけで学資保険と並べず、保障の中身ごと見る必要があります。

契約前に公式で確認すること

  • 自分の条件(基準保険金額、子どもの加入年齢、17歳満期か18歳満期か、払込方法)での月額保険料と戻り率
  • 払込免除あり型に入れる場合、同じ条件での保険料の差
  • 契約者に万一があったとき、だれが契約者を引き継ぎ、残りの保険料を払うか
  • 途中で解約した場合の返戻金の水準(保障設計書(契約概要)の返戻金の表)
  • 保険料払済契約への変更(契約から2年経過後)と、減額の手続き
  • 特約を付ける場合の告知と、特約を付けたときの戻り率
  • 満期保険金の受取人は契約者で、ほかの人に変更できないこと。祖父母が契約者の場合の贈与の扱い
  • 満期保険金・死亡給付金の税金(ご契約のしおりの「生命保険と税金」)
  • 出生前加入制度は使えないこと
  • こどもNISAを併せて考える場合は、受付先の証券会社の手続きと、払出し制限の条件

出典

いま入っている保険と、教育資金の準備に使う学資保険・積立の役割を並べて整理したい場合は、証券を持って保険相談窓口で整理してもらう方法もあります。

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注意・免責

本記事は、2026年10月8日時点でかんぽ生命、金融庁、日本証券業協会が公開している情報をもとに、商品と制度の仕組みを整理したものです。保険への加入や見直し、特定の金融商品の購入を勧めるものではなく、投資助言でもありません。学資保険とこどもNISAのどちらがよいかは、家計や目的によって変わります。保険料・戻り率・返戻金・税の取扱いは変わることがあり、こどもNISAの手続きの詳細は金融機関ごとに異なります。契約や申込みの前に、保障設計書(契約概要)、ご契約のしおり・約款、各金融機関の公式ページで確認してください。

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この記事を書いた人

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