※本記事には広告(PR)が含まれます。
ゆうちょ銀行は2026年10月1日から、外貨建ての一時払終身保険2商品の取扱いを始めました。三井住友海上プライマリー生命の「ミライ・レター」と、メットライフ生命の「明日へのバトン」です。どちらも健康告知なしで申し込め、一定期間(第1保険期間)は死亡保険金を円で最低保証し、その後に死亡保険金が大きくなる設計です。
貯金の満期や相続の相談で直営店を訪れたときに、窓口で紹介される場面が増えると考えられます。円で最低保証されるのは「どの期間の、どのお金か」、為替手数料や解約時の差し引きはいくらか。以下では、ゆうちょ銀行の発表と、各保険会社の「契約締結前交付書面(契約概要・注意喚起情報)兼商品パンフレット」(いずれも2026年10月版)に書かれている内容を並べ、契約前に窓口で聞いておきたい点を整理します。
ゆうちょ銀行が発表した内容
ゆうちょ銀行のニュースリリース「商品ラインアップの追加について」(2026年9月18日)によると、ポイントは次のとおりです。
- 2026年10月1日(木)午前9時から、外貨建一時払定額終身保険2商品の取扱いを開始
- 取扱商品は「ミライ・レター」(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)と「明日へのバトン」(メットライフ生命保険株式会社)
- 窓口は一部の店舗を除くゆうちょ銀行直営店。郵便局の貯金窓口では取り扱わない
- 健康告知なしで申し込め、第1保険期間の経過後に死亡保険金が大きくなる。第1保険期間中の死亡保険金額は、払い込んだ保険料と同額を円で最低保証
- 2027年度には、住友生命保険相互会社と第一フロンティア生命保険株式会社の外貨建一時払定額終身保険も取り扱う予定
発表の背景として、同行は相続・資産承継ニーズの高まりを挙げ、「資産をふやして家族にのこしたい」「万が一に備えたい」といったニーズへの対応としています。同行の定額終身保険ページには「一部の商品については、契約時に契約時費用が差し引かれる場合があります」との注記もあります。
2商品の基本情報を公式資料で比べる
以下は、各社の契約締結前交付書面(2026年10月版)と商品ページに書かれている内容です。利率・為替レート・取扱条件は変わることがあるため、申し込む時点の資料と設計書で確認してください。
| 項目 | ミライ・レター | 明日へのバトン |
|---|---|---|
| 引受保険会社 | 三井住友海上プライマリー生命 | メットライフ生命 |
| 正式名称 | 通貨選択型終身保険(保障抑制期間設定型) | 一時払終身保険(米ドル建 初期死亡保険金抑制型)/保障重視プラン(健康告知なし) |
| 契約通貨 | 米ドル/豪ドル | USドル |
| 保険料の払い込み | 円で払い込み(円入金特約)。契約通貨での入金は不可 | 円で払い込み(保険料円入金特約・必須) |
| 一時払保険料 | 最低300万円(1万円単位)。最高は基本保険金額が20億円となる保険料 | 300万円以上(10万円単位)。基本保険金額の最高は1契約あたり15億円相当額 |
| 被保険者の契約年齢 | 20歳〜90歳 | 第1保険期間2年:満50歳〜満90歳/5年:満50歳〜満80歳 |
| 第1保険期間 | 1年 | 2年または5年(契約時に選択、契約後は変更不可) |
| 告知 | 健康告知不要(入院中などは引受対象外) | 健康告知なし・職業告知のみ(入院中・余命宣告を受けている人などは引受対象外) |
| 円での最低保証 | 第1保険期間(1年)の死亡保険金について、円で払い込んだ金額を最低保証(初期死亡円保証特約) | 第1保険期間の死亡保険金について、一時払保険料の円払込額と同額を最低保証(初期死亡時保険金円建保証特約。第1保険期間満了で消滅) |
| 第2保険期間以降 | 死亡保険金は契約通貨建て(保険金額と解約払戻金額のいずれか大きい額) | 一時払保険料より高い基本保険金額をUSドル建てで最低保証 |
| 契約時の費用 | なし | 一時払保険料の4.0%(契約時費用) |
| 保険期間中の費用 | 保険関係費(米ドル・豪ドルとも最大0.76%)を差し引いた利率が積立利率。ほかに死亡保険金を支払うための費用、第1保険期間中は円保証のための費用を積立金から控除(計算方法は表示不可) | 保険契約の締結・維持・死亡保障にかかる費用と、円建て最低保証のための費用を積立金から毎月控除(一律には記載できないとされている) |
| 為替レート(円⇔外貨) | 円入金:TTM+50銭/円支払:TTM−50銭 | 円入金:TTM+50銭/円支払・円建保証特約:TTM−50銭 |
| 解約時の扱い | 契約から10年未満は解約控除(経過年数に応じ4.0%〜0.4%)+市場金利を反映する市場調整 | 市場価格調整(計算式に0%〜0.10%の範囲で定める「a」を含む) |
| 市場調整がなくなる時期 | 契約年齢40〜70歳:契約日から30年後の契約応当日以後/71歳以上:100歳到達の契約応当日以後(39歳以下は別の定め) | 契約年齢70歳以下:契約日から30年後の契約応当日以後/71歳以上:満100歳の契約応当日以後 |
| 利率の決まり方 | 指標金利の−1.0%〜+1.5%の範囲で会社が定める利率から保険関係費を差し引いた積立利率。40歳以上は終身で変わらない(39歳以下は更改あり、最低保証積立利率0.5%の記載) | 指標金利の平均値に±1.0%の範囲で定める基準利率。毎月1日・16日に設定され、契約日の利率が終身適用 |
| 上乗せの仕組み | 払込保険料が一定額以上の場合、積立利率に所定の利率を上乗せ(行わない場合あり) | 一時払保険料40万USドル以上で基本保険金額の上乗せ |
| 目標値到達時の円建て移行特約 | 契約概要の特約一覧に記載なし | 契約概要の特約一覧に記載なし |
| 主な付加特約 | 円支払特約、遺族年金支払特約、年金移行特約、介護年金移行特約、保険契約者代理特約、指定代理請求特約、社会貢献特約 | 円支払特約、年金支払特約、年金移行特約 |
同じ「外貨建一時払定額終身保険」でも、通貨の選択肢、第1保険期間の長さ、契約時に差し引かれる費用の有無、解約時の差し引き方が違います。窓口で2商品を並べて説明されたときは、この表の項目ごとに「どちらがどうなっているか」を聞くと整理しやすくなります。
「円で最低保証」はどこまでか
案内文で目に入りやすいのが「死亡保険金を円で最低保証」という部分です。公式資料を読むと、保証の範囲は限られています。
- 対象は死亡保険金だけ。解約したときの解約払戻金(解約返戻金)は円で保証されません。両社とも、解約返戻金は市場金利や為替によって一時払保険料(円換算)を下回ることがあると書いています
- 対象期間は第1保険期間だけ。ミライ・レターは1年、明日へのバトンは契約時に選んだ2年または5年です。その後の死亡保険金は外貨建てになり、円で受け取る額は受取時の為替レート次第です
- 明日へのバトンは、円建て最低保証額で支払う場合は受取通貨が円になります。保険金請求時にUSドルでの受け取りを申し出た場合、この特約は適用されません
「元本が円で守られる」という意味ではありません。第1保険期間が過ぎたあとや、途中で解約したときに円でいくら戻るかは、為替と市場金利で変わります。
窓口で確認したい4つのポイント
為替リスク
どちらも、外貨建ての保険金や解約返戻金を円で受け取ると、為替の変動で円換算額が払込額を下回ることがあります。ミライ・レターの資料は、為替が契約時と同じでも為替手数料分の負担が生じると明記しています。明日へのバトンの資料は、為替リスクは保険会社ではなく契約者・受取人に帰属する(自己責任原則)と記載しています。
受け取りを外貨のまま行う場合は、外貨を受け取れる口座が要ります。両社の資料は、外貨で受け取る際に送金手数料や引出手数料などがかかる場合があるとし、詳しくは取扱金融機関で確認するよう書いています。
手数料・コスト
為替レートはどちらも、円で入れるときがTTM+50銭、円で受け取るときがTTM−50銭です。為替が動かなくても、入口と出口で1通貨単位あたり合計1円分の差が出る計算です。
そのうえで、明日へのバトンは契約時に一時払保険料の4.0%が差し引かれます。ミライ・レターは契約時の費用はありませんが、保険関係費(最大0.76%)を差し引いた利率が積立利率になります。両社とも、死亡保障や円建て保証のための費用は年齢・性別などによって異なるため、一律には表示できないとしています。設計書で、積立金と解約返戻金の推移を年ごとに見せてもらうと費用の影響がわかりやすくなります。
積立利率(基準利率)は実質的な利回りとは異なる、とも両社が書いています。窓口で示された利率が、そのまま毎年増える割合だと受け取らないほうが無難です。
解約時の扱い
ミライ・レターは契約から10年未満の解約で解約控除がかかり、控除率は1年未満の4.0%から毎年0.4%ずつ下がり、10年以上で0%です。加えて、解約時の市場金利を反映する市場調整があり、契約時より市場金利が上がっていると解約払戻金は減ります。
明日へのバトンは、解約返戻金が積立金額に市場価格調整率を反映した金額になります。計算式の「a」(0%〜0.10%)により、契約時と解約時の金利が同じでも差し引きが生じると説明されています。資料には、契約から短期間で解約したときの解約返戻金は、多くの場合一時払保険料より少なくなると書かれています。契約時費用の4.0%が先に差し引かれている点も影響します。
市場調整(市場価格調整)がなくなるのは、どちらも契約年齢40〜70歳なら契約日から30年後の契約応当日以後、71歳以上なら被保険者が100歳になる契約応当日以後です(ミライ・レターの39歳以下の契約は別の定め)。途中でまとまったお金が要る可能性がある資金かどうかは、契約前に家族と話しておきたい点です。
円建て保証の範囲
先に見たとおり、円で保証されるのは第1保険期間中の死亡保険金だけです。窓口では「第1保険期間が終わった直後に円高になったら、死亡保険金は円でいくらになるか」「3年後に解約したら、円でいくら戻る試算か」を、為替と金利の前提を変えた例で見せてもらうと、保証の外側にあるリスクを確認できます。両社のパンフレットには、為替と市場金利の組み合わせで解約返戻金がどう変わるかの例も載っています。
相続準備としての位置づけ
両社のパンフレットは、死亡保険金の受取人を指定できること、遺産分割協議を経ずに受け取れること、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数、相続税法第12条)を相続準備のポイントとして挙げています。メットライフ生命の資料では、非課税枠は契約者と被保険者が同じで受取人が相続人の場合に適用され、すべての死亡保険金を合算するため、枠を超えた部分には軽減効果がないと説明されています。すでに別の保険で非課税枠を使い切っている場合は、上乗せの効果は限られます。非課税枠の現行ルールと改正要望の状況は、死亡保険金の相続税非課税枠の記事で整理しています。
一時払保険料は「一般の生命保険料控除」の対象になりますが、明日へのバトンの資料では払い込んだ年だけ控除が適用されると書かれています。
外貨建保険の販売ルールとして公表されていること
外貨建て保険は、市場リスクを有する「特定保険契約」にあたります。生命保険協会は、業界の自主ルールとして次のガイドラインを公表しています。
- 「市場リスクを有する生命保険の募集等に関するガイドライン」:顧客の知識・経験・財産の状況・契約の目的に照らした適合性の確認を求め、特に高齢の顧客については、理解能力や判断能力、投資経験、投資性資産の保有割合などを踏まえて、より一層厳格な適合性確認の基準を定めることが望ましいとしています
- 「高齢者向けの生命保険サービスに関するガイドライン」:高齢者に特定保険契約を販売する際は、親族等の同席(原則70歳未満)と契約締結までに複数回の保険募集機会を設けることを原則とし、同席が難しい場合の代替策(親族への電話説明、同意書など)も示しています。高齢者の定義は各社が社内規則で定めるとされています
両社の資料にも、外貨建保険販売資格を持つ生命保険募集人に相談するよう記載があります。ゆうちょ銀行の保険募集指針では、募集時の説明記録を保険契約期間の終了時まで保存するとしています。家族に同席してもらう、説明を受けた当日は申し込まずに持ち帰る、といった進め方は、こうしたルールの趣旨とも合っています。
クーリング・オフ
両商品ともクーリング・オフ(申込みの撤回等)の対象です。各社の注意喚起情報では、申込日と契約締結前交付書面を受け取った日のいずれか遅い日から、その日を含めて8日以内であれば、書面の発信(郵便の消印日付)または各社ホームページからの電磁的方法で申し出られると記載されています。三井住友海上プライマリー生命の資料には、電話・FAXでの申し出はできないとの記載があります。
メットライフ生命の資料は「一時払保険料領収日から8日以内ではありません」と注意書きし、撤回した場合は一時払保険料の円払込額と同額を返金するとしています。三井住友海上プライマリー生命の資料も、保険料として払い込んだ金額を全額返還するとしています。法人契約などは対象外です。
窓口で聞くことリスト
- この商品の正式名称と引受保険会社はどこか。ゆうちょ銀行は募集代理店で、契約先は保険会社であることの確認
- 契約通貨は何か(米ドル・豪ドル・USドル)。円で受け取るときの為替レートはいつの時点のものか
- 円で最低保証されるのは、どの期間の、どのお金か。解約返戻金は円で保証されないことの確認
- 第1保険期間は何年か。その後の死亡保険金は外貨建てでいくらか(設計書の数字)
- 契約時に差し引かれる費用はあるか。保険期間中の費用は積立金からどう差し引かれるか
- 円⇔外貨の為替手数料はいくらか(TTMとの差)。外貨で受け取る場合の手数料はどこにかかるか
- 解約控除・市場価格調整は何年続くか。3年後・5年後・10年後に解約した場合の試算を、金利と為替の前提を変えて見せてほしい
- 提示された積立利率(基準利率)は、いつ契約した場合の数字か。実質的な利回りはどのくらいか
- 相続の目的なら、すでに加入している保険と合わせて非課税枠をどれだけ使っているか
- この資金を数年以内に使う予定はないか。生活費や医療・介護費の備えと分けられているか
- 家族の同席や、日を改めての再説明は可能か。クーリング・オフの期限はいつになるか
すでに外貨建て保険を持っていて、解約するか残すかで迷っている場合は円安のいま、ドル建て保険を解約していい人・残す人も参考になります。円建ての一時払商品と並べて考えたい場合は、予定利率が上がる一時払の貯蓄性保険の確認順で、商品区分や費用の見方をまとめています。
まとめ
ゆうちょ銀行の直営店で2026年10月から扱われている「ミライ・レター」と「明日へのバトン」は、どちらも告知の負担が小さく、第1保険期間中の死亡保険金を円で最低保証する外貨建ての一時払終身保険です。一方で、円での保証は第1保険期間の死亡保険金に限られ、解約返戻金は為替と市場金利で変わります。契約時費用の有無、第1保険期間の長さ、解約控除と市場価格調整の仕組みも2商品で異なります。
窓口では、商品名と「円で保証」の言葉だけで判断せず、契約締結前交付書面と設計書を持ち帰って、家族と一緒に数字を確認する流れが安全です。
出典
- ゆうちょ銀行「商品ラインアップの追加について」(2026年9月18日)
- ゆうちょ銀行「定額終身保険」
- ゆうちょ銀行「生命保険のご留意事項」
- ゆうちょ銀行「保険募集指針」
- 三井住友海上プライマリー生命「ミライ・レター」商品ページ
- 三井住友海上プライマリー生命「ミライ・レター」契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)兼商品パンフレット(2026年10月版、PDF)
- メットライフ生命「明日へのバトン」商品ページ
- メットライフ生命「明日へのバトン」契約締結前交付書面(契約概要・注意喚起情報)兼商品パンフレット(2026年10月版、PDF)
- 生命保険協会「市場リスクを有する生命保険の募集等に関するガイドライン」(PDF)
- 生命保険協会「高齢者向けの生命保険サービスに関するガイドライン」(PDF)
証券や設計書を持って、第三者と整理する
窓口で受け取った設計書や、すでに持っている保険の証券を並べても、どこが重なっているのかわかりにくいことがあります。すすめた人以外に、訪問かオンラインで「死亡保障の総額/非課税枠の使い方/外貨建ての比率」を一枚にまとめてもらう方法もあります。商品のランキングを求める使い方ではありません。
PR(アフィリエイト) 提携済
![]()
注意・免責
本記事は、2026年10月7日時点で確認できたゆうちょ銀行の発表と、各保険会社の公式資料(2026年10月版の契約締結前交付書面など)をもとにした一般的な情報提供です。特定の保険商品への加入をすすめるものではなく、個別の投資・保険・税務の助言でもありません。
積立利率・基準利率、為替レート、費用、取扱条件、取扱店舗は変更されることがあります。外貨建て保険は預金ではなく、元本保証はありません。為替相場や市場金利の変動により、受取額が払込額を下回ることがあります。契約を検討する際は、最新の契約締結前交付書面、ご契約のしおり・約款、設計書で内容を確認してください。税金の取扱いは2026年5〜6月時点の税制にもとづく各社資料の記載であり、個別の取扱いは税務署または税理士に確認してください。


コメント