楽天証券が超長期国債(20年・30年・40年)を10月15日から取扱い。個人向け国債・貯蓄性保険との違い(2026年)

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楽天証券は2026年10月6日、超長期国債(残存10年以上の日本国債)の取扱いを10月15日(木)から始めると発表しました。対象は利付国債の20年債・30年債・40年債の3銘柄で、額面5万円以上5万円単位、システムメンテナンス時間と利払前を除いていつでも購入・中途売却できるとしています。同じ「国債」でも、個人向け国債とは中途で手放すときの仕組みがまったく違います。発表の中身と、個人向け国債・貯蓄性保険との違いを公式資料で整理します。

目次

楽天証券が発表した内容(2026年10月6日)

楽天証券のプレスリリースでは、今回の超長期国債を「あらかじめ提示された固定金利に応じて定期的に利息が支払われ、満期まで保有した場合には額面金額が償還される金融商品」と説明しています。個人向け国債よりも利率が高い点を特徴に挙げています。

  • 取扱開始:2026年10月15日(木)
  • 対象:超長期国債(残存10年以上)。20年・30年・40年と残存期間が異なる3銘柄
  • 単位:額面5万円以上、5万円単位
  • 売買:いつでも購入・中途売却が可能(システムメンテナンス時間および利払前を除く)

背景として、楽天証券の2026年1〜6月の個人向け国債の販売額が1,716億円と前年同期比で約4倍になったこと、固定金利の3年・5年の販売額があわせて41.5%(前年同期比36.4ポイント増)を占めたことも、同じリリースに書かれています。

取扱銘柄(楽天証券の案内ページより)

楽天証券の案内ページ(2026年10月6日掲載)に載っている3銘柄は次のとおりです。年利率は税引前の表面利率(クーポン)で、購入したときの利回りとは別の数字です。

銘柄名 年利率(税引前) 償還期限 売買単位 利払日
利付国庫債券(20年)第197回 3.7% 2046年6月20日 5万円以上、5万円単位 年2回(6月20日・12月20日)
利付国庫債券(30年)第91回 4.0% 2056年6月20日 5万円以上、5万円単位 年2回(6月20日・12月20日)
利付国庫債券(40年)第19回 3.8% 2066年3月20日 5万円以上、5万円単位 年2回(3月20日・9月20日)

「20年・30年・40年」は発行時の年限です。いずれも2026年に入札で発行された銘柄のため、10月15日時点の残存期間は20年債が約19年8か月、30年債が約29年8か月、40年債が約39年5か月です。表面利率と償還期限は、財務省の入札結果でも同じ数字が確認できます。

買付単価と利回りは、楽天証券のログイン後の画面(ホーム→債券→国内債券→既発債券)で確認する形です。在庫の状況によっては「キャンセル待ち」と表示される場合がある、とも案内されています。利回りは楽天証券の画面で確認してください。

既発債なので、購入単価は額面とは限らない

今回の3銘柄は、すでに発行され市場で売買されている「既発債」です。楽天証券の解説では、既発債の価格は流通市場の需給で決まり日々変動し、購入のタイミングによって経過利子が発生し、最終利回りも変わるとしています。

実際、財務省の入札結果でも、同じ銘柄の価格は額面100円ちょうどではありません。

  • 20年債第197回:2026年9月15日の入札で募入平均価格98円25銭(募入平均利回り3.856%)
  • 30年債第91回:2026年7月7日の入札では募入平均価格100円09銭(同3.993%)、9月3日の入札では98円93銭(同4.079%)
  • 40年債第19回:2026年9月29日の入札で発行価格93円69銭(募入最高利回り4.125%)

これは財務省の入札時点の数字で、楽天証券での買付単価とは別物です。同じ30年債でも、7月と9月で価格が1円以上動いています。

手数料と経過利子

楽天証券は、債券取引に手数料はかからず、約定単価に取引に必要なコストが含まれていると説明しています。楽天証券との相対取引で買う場合は購入対価のみを支払い、委託手数料はかかりません。つまり、手数料が別に引かれない代わりに、コストは単価の中に入っている形です。

経過利子は、前回の利払日の翌日から受渡日までの日数分の利息を、買い手が売り手に支払うものです。次の利払日まで持っていれば利払日の利子を受け取るため、実質的に受け取る利息は自分の保有期間に相当する分になる、と楽天証券は説明しています。支払額のイメージは次のとおりです(数字は説明のための例)。

  • 額面50万円を単価98円で買う場合、債券代金は50万円×98÷100=49万円。これに経過利子が加わります
  • 満期まで持てば額面の50万円が償還されます。単価が100円を下回って買った分の差(例では1万円)は償還差益になります

注文の受付時間

楽天証券の「国内債券の取引時間/注文受付時間」のページでは、注文日付の区分を、月〜金の0:00〜14:30は当日注文、17:15〜24:00は翌営業日注文、土日祝は終日翌営業日注文としています。注文は16:30ごろまで「執行待ち」、それ以降は「執行中」となり、翌営業日に「約定」と表示されます。これに加えて、リリースではシステムメンテナンス時間と利払前は購入・売却ができないとしています。

個人向け国債との違い:中途で手放すときに差が出る

個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)は、財務省の商品概要で次のように定められています。

  • 購入は最低1万円から1万円単位。額面100円につき100円で買い、償還も100円(中途換金時も同じ)
  • 発行後1年経過すれば、国の買取による中途換金ができる(元本割れのリスクなし)。ただし直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる
  • 発行後1年間は、原則として中途換金ができない
  • 金利の下限は年0.05%

一方、今回の超長期国債(固定利付国債)は、1年待たずに売れる反面、売るときはその時の市場価格です。楽天証券も「金利の変動により債券価格は変化します(金利があがると、価格が下がる)」「一般的に、残存期間が長いほど、金利変動による債券価格の変動が大きくなります」と案内しています。満期まで持てば原則として額面で償還されますが、途中で売ると元本割れになることがあります。

財務省の募集ページでも、同じ固定利付国債を個人向けに販売する新窓販国債について、市場でいつでも売却できる一方、その時々の市場価格となるため売却損・売却益が発生する(元本割れのリスクあり)と書いています。個人向け国債の利率表や中途換金コストの読み方は個人向け国債の金利が上がった秋の記事で整理しています。

金利が1%動いたときの価格(仮定の試算)

残存期間の長さでどれくらい差が出るかを、仮定の数字で計算すると次のようになります。

前提:額面100円、表面利率4.0%、購入時の利回り4.0%(購入価格100円)。利払いは年2回、利回りも半年複利で割り引き、残存期間はちょうどの年数とする。経過利子・税金・売買コストは含めない。実在の銘柄の価格ではありません。

残存期間 利回りが1%上がって5.0%になった場合 利回りが1%下がって3.0%になった場合
5年 約95.6円 約104.6円
20年 約87.5円 約115.0円
30年 約84.5円 約119.7円
40年 約82.8円 約123.2円

この前提では、残存30年の債券を額面50万円分持っていて利回りが1%上がると、時価は約42.3万円(約7.7万円の評価減)になります。逆に利回りが下がれば値上がりします。満期まで持てば額面で戻るので、評価減がそのまま損になるのは途中で売った場合です。

固定金利とインフレの関係

超長期国債の利子は、満期まで表面利率で固定です。物価や金利が上がり続けた場合、受け取る利子の額は増えず、額面で戻ってくるお金の実質的な価値(買えるものの量)は目減りします。同時に市場金利が上がれば、手元の債券の時価は下がります。20年、30年、40年という期間の物価や金利は、誰にも分かりません。

個人向け国債の変動10年は、半年ごとに適用利率が見直され、財務省は「実勢金利が上がれば受取利子が増えることもある」と説明しています(基準金利×0.66、下限0.05%)。固定5年・固定3年は満期まで利率が変わりませんが、期間が短い分、満期後にその時点の金利で選び直せます。なお財務省は、物価指数に連動して元本が増減する物価連動国債という別の種類も挙げていますが、楽天証券の今回の3銘柄には含まれていません。

個人向け国債・超長期の利付国債・貯蓄性保険の比較

金利上昇のニュースでは、個人向け国債・超長期国債・一時払終身や個人年金などの貯蓄性保険が同じ「利率の話題」として並びがちです。一般的な性質を並べると次のとおりです。個別の条件は商品ごとに異なります。

項目 個人向け国債(変動10年) 個人向け国債(固定5年・固定3年) 超長期の利付国債(今回の20年・30年・40年債) 貯蓄性保険(一時払終身・個人年金など)
発行・提供 国(個人専用) 国(個人専用) 国(市場で売買される既発債) 保険会社
期間 10年 5年・3年 償還まで約19〜39年(銘柄による) 終身、または一定期間(商品による)
金利 変動(半年ごとに見直し)。下限年0.05% 固定。下限年0.05% 固定(表面利率3.7〜4.0%)。購入時の利回りは単価で変わる 予定利率など(契約時に決まる型、見直される型がある)
購入単位・価格 1万円から1万円単位、額面100円につき100円 1万円から1万円単位、額面100円につき100円 楽天証券では額面5万円から5万円単位。単価は日々変動し、経過利子がかかる 保険料(一時払・年金原資など)。最低額は商品ごと
途中で手放すとき 発行後1年経過後に国が額面で買取。直前2回分の利子相当額×0.79685を差し引き 同左 市場価格で売却(利払前・メンテナンス時を除く) 解約返戻金。早期の解約では払込額を下回ることがある。市場価格調整がある商品は金利で増減
中途の元本割れ なし(調整額の差し引きはある) なし(同左) ありうる。残存が長いほど価格変動が大きい ありうる(解約時期・商品による)
満期時 額面で償還 額面で償還 額面で償還 満期・年金・死亡保険金など契約内容による
税金(一般的な扱い) 利子に20.315% 利子に20.315% 利子は20.315%の申告分離課税(申告不要も選択可)。売却益・償還差益も20.315%の申告分離課税 受取方や契約形態で異なる(一時所得・雑所得・相続税など)
NISA 対象外 対象外 対象外 対象外
保障 なし なし なし 死亡保障などが付く

貯蓄性保険は、予定利率だけでなく、保険関係費や解約控除、保障の有無を含めて手元に残る数字が決まります。新規で一時払の保険を検討する場合の確認順は予定利率が上がる一時払の貯蓄性保険の記事に、個人年金保険側の動きは個人年金の予定利率が10月から上がった記事にまとめています。

税金とNISAの扱い

国債は税法上の「特定公社債」にあたります。国税庁の説明では、特定公社債等の利子は受取時に15.315%(他に地方税5%)が源泉徴収され、申告分離課税の対象となりますが、確定申告しないことも選べます。公社債の償還金は、上場株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなされ、15.315%(他に地方税5%)の申告分離課税の対象です。

楽天証券の税金ページでも、特定公社債の利子・譲渡・償還は一律20.315%(所得税15.315%・住民税5%)、上場株式等と損益通算が可能で、特定口座で管理できると整理しています。経過利子は税法上は利子所得に区分されず、受け取った経過利子は譲渡所得として区分されるとしています。

NISAについては、国税庁の新NISAの資料で、国債・地方債などの特定公社債は「つみたて投資枠」「成長投資枠」のどちらでも投資対象外とされています。今回の超長期国債も、課税口座(特定口座・一般口座)での保有になります。

購入前に画面で確かめる順番

  • 買付単価と利回り:表の年利率(3.7〜4.0%)ではなく、楽天証券の画面に出る単価と利回りを見る。単価が100円を下回るか上回るかで、償還差益・差損が出る
  • 経過利子:受渡金額に経過利子がいくら上乗せされるかを確認する
  • 満期の年:2046年・2056年・2066年。本人の年齢と、そのお金を使う予定の時期を並べる
  • 途中で売る可能性:使う予定が満期より前なら、売却時の価格次第で受取額が変わる。上の仮定の試算のように、残存が長いほど振れ幅は大きい
  • 個人向け国債との使い分け:中途換金で元本割れを避けたいお金と、価格変動を受け入れられるお金を分けて考える
  • 既存の貯蓄性保険:低い利率の保険の解約と、国債の購入を同じ日に決めない。解約返戻金や保障がなくなる点を先に確かめる

まとめ

  • 楽天証券は2026年10月15日から、利付国債の20年債第197回(3.7%)・30年債第91回(4.0%)・40年債第19回(3.8%)を額面5万円から扱う
  • 既発債のため単価は日々変わり、経過利子もかかる。手数料は別途かからず、コストは単価に含まれる
  • 満期まで持てば額面で償還されるが、途中で売るとその時の市場価格。残存が長いほど金利変動の影響が大きく、元本割れもありうる
  • 個人向け国債は1年経過後に国が額面で買い取る仕組みで、変動10年は金利上昇で受取利子が増える可能性がある
  • 利子・売却益・償還差益は20.315%の申告分離課税。NISAの対象外

出典

今回の超長期国債は楽天証券の取扱いです。下のリンクは松井証券の総合口座の案内で、同じ3銘柄の取扱いを示すものでも、特定の国債の購入を勧めるものでもありません。

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注意・免責

本記事は、楽天証券の2026年10月6日の発表と案内ページ、財務省・国税庁の公表資料をもとにした一般的な情報の整理です(2026年10月7日確認)。投資助言ではなく、特定の銘柄や金融商品の購入・売却、保険の契約・解約を勧めるものではありません。債券の価格は金利の変動などで上下し、償還前に売却すると損失が生じるおそれがあります。表面利率・入札結果は記載時点の数字で、楽天証券での買付単価・利回り・在庫は日々変わります。取扱条件や税制は変更される場合があるため、最新の内容は楽天証券・財務省・国税庁の公式ページと契約締結前交付書面で確認してください。仮定の試算は説明のための計算で、将来の価格を示すものではありません。

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この記事を書いた人

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