ソニー生命の一時払終身保険が11月2日に約28年ぶり再開。返戻率表の読み方と、預金・国債・相続の非課税枠との並べ方(2026年)

初夏の緑に囲まれた霧ヶ峰・八島湿原の木道を、並んで歩く年配の夫婦

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ソニー生命保険は2026年10月8日、「有期払込終身保険(無配当)」を11月2日に改定し、一時払の販売を再開すると発表しました。この商品の一時払は、低金利環境などを理由に1998年7月から販売を止めていたため、およそ28年ぶりの再開になります。あわせて、一時払・平準払の両方で、契約できる最低保険金額を200万円から100万円に引き下げます。

ニュースリリースには、保険金額1,000万円を一時払で契約した場合の保険料と、経過年数ごとの解約返戻率の例が載っています。返戻率表の読み方、死亡保険金の相続税の非課税枠との関係、預金・国債と並べるときの見方を順に整理します。

目次

11月2日に何が変わるか

ソニー生命の説明では、この商品は「契約時に保険金額が確定するシンプルな終身保険」です。まとまった資金で一生涯の保障を用意したいという要望が多かったことと、販売停止後に金利環境が変わったことを踏まえて、一時払を再開するとしています。最低保険金額の引き下げは、少額から保障を用意したい場合や、相続への備えに対応するためと説明されています。

項目 2026年11月2日から 変更前(販売停止時)
一時払の販売 再開 1998年7月から停止
一時払の契約年齢 50〜85歳 0〜65歳
最低保険金額(一時払・平準払共通) 100万円 200万円
最高保険金額(一時払・平準払共通) 7億円 7億円
配当 無配当 無配当
予定利率 ニュースリリースには記載なし(公式で確認) ―

商品パンフレットとご提案設計書は2026年11月以降に発行される予定です。ニュースリリースは保険募集を目的としたものではなく、契約の際は「ご契約のしおり・約款」と重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報)を見るよう書かれています。

円で保険金額が決まる終身保険。変額・外貨建てとは仕組みが違う

ソニー生命の商品ページでは、有期払込終身保険(無配当)は死亡・高度障害状態の保障が一生涯続く終身保険で、将来は解約返戻金が出るため貯蓄の機能も備える、と説明されています。解約返戻金の所定の範囲内でお金を借りられる契約者貸付も使えます。

保険料・保険金額は円で示され、保険金額は契約時に決まります。同じ会社の商品でも、変額保険は運用実績によって保険金額が増えたり減ったりし、米ドル建ての終身保険は為替の動きで円に換算した受取額が変わります。今回の商品はそのどちらでもありません。外貨建ての一時払終身保険で確認したい点はゆうちょ銀行の外貨建一時払終身保険の記事で取り上げています。

公式の保険料・解約返戻率の例

ニュースリリースに載っている例です。条件はどれも保険金額1,000万円、保険料の払込方法は一時払です。

男性

契約年齢 保険料(一時払) 5年後 10年後 15年後 20年後
50歳 6,199,550円 99.92% 107.94% 116.20% 124.33%
60歳 7,242,350円 99.47% 106.42% 113.09% 119.25%
70歳 8,258,520円 99.18% 104.58% 109.28% 113.05%
80歳 8,958,920円 100.73% 104.22% 106.82% 108.59%

女性

契約年齢 保険料(一時払) 5年後 10年後 15年後 20年後
50歳 5,535,270円 100.13% 108.88% 118.24% 128.03%
60歳 6,531,900円 100.20% 108.49% 116.96% 125.23%
70歳 7,599,770円 100.52% 107.63% 114.17% 119.74%
80歳 8,489,620円 102.20% 107.18% 111.05% 113.73%

出典:ソニー生命保険 ニュースリリース(2026年10月8日)。表の率は経過年度別の解約返戻率で、当該保険年度の最終日の値。小数点第3位以下は切り捨て。

返戻率表の読み方

5年後に100%を下回る例がある

解約返戻率は、払い込んだ保険料に対して、解約したときに戻るお金の割合です。男性の50歳・60歳・70歳の例では、5年後の返戻率が99.92%・99.47%・99.18%で、100%を下回っています。この時点で解約すると、戻るお金は払い込んだ保険料より少なくなり、元本割れになります。

女性の各年齢と男性80歳の例では、5年後の時点で100%を上回っています。ただ、ニュースリリースに載っているのは5年後・10年後・15年後・20年後の4時点だけで、1〜4年目の返戻率は書かれていません。早い時期に解約した場合にいくら戻るかは、11月以降に発行されるご提案設計書で確認することになります。

返戻率は年率ではない

表の率は「契約から何年後に解約したら、払い込んだ保険料の何%が戻るか」を示すもので、預金の金利や国債の利回りのような年率ではありません。たとえば20年後の124.33%は、20年間かけてそこに届くという数字です。予定利率はニュースリリースに書かれておらず、表から逆算した数字を予定利率として扱うこともできません。

年齢が上がると、保険料は高く、返戻率の伸びは小さくなる

同じ保険金額1,000万円でも、男性50歳の保険料は6,199,550円、男性80歳は8,958,920円です。20年後の返戻率は、男性50歳が124.33%、男性80歳が108.59%です。同じ年齢で比べると、例に挙がっている年齢ではどれも女性の保険料のほうが低く、返戻率は女性のほうが高くなっています。

保険料と保険金額の差が、死亡保障の部分

終身保険なので、被保険者が亡くなったときには保険金額が死亡保険金として支払われます。男性50歳の例では、保険料6,199,550円に対して保険金額は1,000万円です。解約返戻金は「解約したら戻るお金」、死亡保険金は「亡くなったときに受け取るお金」で、表の返戻率は死亡保険金の額を示すものではありません。死亡・高度障害状態の支払条件の細かい点は、約款と重要事項説明書で確認します。

死亡保険金の相続税の非課税枠との関係

ソニー生命は最低保険金額の引き下げの理由に「相続への備え」を挙げています。死亡保険金と相続税の関係は、国税庁のタックスアンサーで次のように説明されています。

  • 被相続人が保険料の全部または一部を負担していた死亡保険金は、相続などで取得したとみなされ、相続税の対象になります。
  • 受取人が相続人の場合、すべての相続人が受け取った保険金の合計額のうち「500万円×法定相続人の数」までは非課税で、超えた部分が相続税の対象になります。
  • 相続人以外の人が受け取った死亡保険金には、この非課税は適用されません。
  • 法定相続人の数には、相続を放棄した人も含めて数えます。養子を数に入れるには上限があります(実子がいれば1人、いなければ2人まで)。

たとえば法定相続人が3人なら、非課税限度額は500万円×3人で1,500万円です。この枠は1つの契約ごとではなく、相続人が受け取った死亡保険金の合計に対して使うため、すでに入っている死亡保険があれば、その保険金と合わせて考えます。現行のルールと、非課税枠の引き上げ要望の位置づけは死亡保険金の相続税非課税枠の記事でまとめています。

なお、死亡保険金にどの税金がかかるかは、被保険者・保険料の負担者・受取人が誰かで変わります。国税庁の説明では、保険料の負担者と受取人が同じ人なら所得税、被保険者と保険料の負担者が同じ人なら相続税、3者がそれぞれ別の人なら贈与税の対象です。契約者や受取人を誰にするかで扱いが変わるため、税の扱いは国税庁の説明と税理士・税務署で確認できます。

預金・国債と並べるときの見方

金利が上がる局面では、まとまった資金の置き場所として、預金、国債、一時払の保険が同じ場面で話題になります。返戻率と金利は単位が違うため、数字をそのまま並べることはできません。性質の違いを先に並べます。

見る点 今回の一時払終身保険 預金・国債
数字の示し方 経過年数ごとの解約返戻率(年率ではない) 金利・利回り(年率)
途中で引き出すとき 解約返戻金を受け取る。時期によっては払込保険料を下回る 商品ごとのルール(定期預金の中途解約、国債の中途換金や売却)を公式で確認
死亡したとき 保険金額(例では1,000万円)が受取人に支払われる 残高が相続財産になる
相続税の非課税枠 条件を満たせば「500万円×法定相続人の数」を使える 死亡保険金の非課税枠はない
受け取る人 受取人を指定できる 相続の手続きで分ける
契約後に金利が上がったとき 契約時の保険金額が変わらない 預け替え・買い替えで新しい金利を使える場合がある(条件は商品ごと)

一時払の貯蓄性保険を新しく契約する前に見る点は予定利率が上がる一時払の貯蓄性保険の記事、国債の種類と中途換金の違いは楽天証券の超長期国債の記事で整理しています。資金を何年使わずに置けるか、途中で使う可能性があるか、死亡保障や受取人の指定が必要かによって、同じ金額でも置き場所の向き不向きが変わります。

11月2日以降、公式で確認すること

  • 自分の年齢・性別・保険金額での一時払保険料(ニュースリリースの表は例)
  • 1年ごとの解約返戻金の額と、払込保険料を上回るのが何年目からか(ご提案設計書)
  • 予定利率の水準と、保険料がいつ時点の基準で計算されているか
  • 一時払の契約年齢が50〜85歳であることと、加入時の告知・診査の取り扱い
  • 死亡・高度障害状態の支払条件と、支払われない場合(約款・重要事項説明書)
  • 契約者貸付の範囲と、解約時の手続き
  • 契約者・被保険者・受取人の組み合わせと、相続税・所得税・贈与税の扱い
  • すでに入っている死亡保険の保険金額と、相続人の人数から見た非課税枠の残り
  • 11月以降に発行される商品パンフレット・ご契約のしおり・約款・重要事項説明書

出典

いま入っている死亡保険や貯蓄性保険の保険金額・受取人を並べて、相続の枠や資金の置き場所と合わせて整理したい場合は、証券を持って保険相談窓口で確認してもらう方法もあります。

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注意・免責

本記事は、2026年10月9日時点でソニー生命保険と国税庁が公開している情報をもとに、商品の仕組みと税の一般的な取扱いを整理したものです。保険への加入や見直し、特定の金融商品の購入を勧めるものではなく、投資助言でもありません。保険料・解約返戻率は公式の例で、契約条件によって変わります。予定利率、1〜4年目の解約返戻金、支払条件の詳細は、2026年11月以降に発行される商品パンフレット・ご提案設計書と、約款・重要事項説明書で確認してください。税の取扱いは契約形態や法令改正で変わることがあるため、国税庁の説明や税理士・税務署で確認してください。

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