日本生命の元職員が医療保険の給付金を不正請求、34件・900万円。発表で分かっていることと、まだ公表されていないこと(2026年10月)

「診断書」と書かれた用紙の上に置かれた体温計と錠剤

日本生命は2026年10月27日、元職員が医療保険の給付金を不正に請求していたと発表しました。請求書類を偽造して自分の医療保険の給付金を受け取ったものと、ほかの被保険者の給付金請求で書類を偽造して不正請求に加担したものを合わせて、34件・900万円です。

日本生命はすでに捜査機関へ被害届を出しており、捜査に協力しながら社内の調査を続けるとしています。発表文に書かれていることと、報道で伝えられていること、まだ公表されていないことを分けて整理します。

目次

決まったこと(日本生命の発表)

日本生命のニュースリリース「元職員による不正な給付金請求事案について」に載っている事案の概要は、次のとおりです。会社は「現時点で確認している」内容としています。

項目発表の内容
元職員の属性30歳代、女性
在籍時の所属高松支社
発生時期2024年12月〜2026年1月
不正の内容①元職員本人が加入している日本生命の医療保険で、請求書類を偽造し、給付金を不正に受け取った(5件、150万円)
不正の内容②被保険者の給付金請求で、元職員が請求書類を偽造し、不正請求に加担した(29件、750万円)
合計34件、900万円(①と②の合計)
会社の対応捜査機関へ被害届を提出。刑事手続きに協力し、社内調査を継続。調査結果を踏まえて再発防止策を策定・実行する
出典:日本生命 ニュースリリース「元職員による不正な給付金請求事案について」(2026年10月27日)。確認日:2026年10月29日

件数と金額の内訳を見ると、元職員本人の分が5件・150万円、ほかの被保険者の請求に加担した分が29件・750万円です。件数でも金額でも、ほかの人の請求に関わった分のほうが大きくなっています。

報道で伝えられていること

発表と同じ日に、複数のメディアが報じています。日本生命の発表文にはない内容も含まれているので、どこが出どころかを分けて書きます。

報道伝えている内容日本生命の発表文との関係
時事通信(2026年10月27日)元職員は詐欺罪などで在宅起訴されており、容疑を認めているという発表文には、起訴の有無や本人の認否の記載はない
日本経済新聞(2026年10月27日)元営業社員1人が、病院の診断書など請求書類を偽造した。日生は社内調査を踏まえて再発防止策を強化する発表文は「請求書類を偽造」とだけ書いており、書類の種類(診断書)は報道による
TBS NEWS DIG(2026年10月27日)不正請求に関与した元職員は、2026年3月まで高松支社に所属していた発表文には在籍時の所属(高松支社)はあるが、退職の時期は書かれていない
出典:時事ドットコム、日本経済新聞、TBS NEWS DIG(いずれも2026年10月27日)。確認日:2026年10月29日

起訴や認否は報道ベースの情報で、日本生命の発表では確かめられません。今後、裁判の中で事実関係がさらに明らかになる可能性があります。

決まっていないこと・発表にないこと

2026年10月29日時点で、次の点は日本生命の発表に書かれていません。

  • 不正請求に加担された29件の被保険者が何人か、その人たちの扱い(給付金の返還を求めるかどうかなど)
  • 不正が見つかったきっかけ(社内の点検か、外部からの指摘か)
  • 不正に支払われた900万円の回収状況
  • 元職員に対する社内の処分の内容
  • 高松支社以外で同じような事案がないか、調べる範囲
  • 再発防止策の具体的な中身と、公表の時期
  • ほかの契約者の契約や保険料への影響の有無(発表文には、影響についての記載自体がありません)

発表文では、社内の調査は「継続して実施」するとされています。調査の結果や再発防止策が出たときに、上の点が明らかになるかどうかを見ていくことになります。

公表されている問い合わせ先

日本生命は、この件の問い合わせ先として次の窓口を発表文に載せています。

項目内容
窓口日本生命保険 ニッセイコールセンター
電話番号0120-201-021(通話料無料)
受付時間月〜金曜日 9:00〜18:00、土曜日 9:00〜17:00(祝日、12/31〜1/3を除く)
出典:日本生命 ニュースリリース「元職員による不正な給付金請求事案について」(2026年10月27日)。確認日:2026年10月29日

電話番号は、日本生命の公式サイトに載っているものと照らし合わせてからかけると安心です。この件に便乗して、給付金の手続きや返金をうたう電話やメールが来ることも考えられます。日本生命の名前が出てきても、相手から聞いた番号ではなく、公式サイトで確かめた番号に連絡するのが確実です。

ニュースを読むときに分けておきたい点

  1. 会社の発表か、報道か:件数・金額・時期・所属は日本生命の発表です。起訴や認否、書類が診断書だったことは報道による情報です。
  2. 「現時点」の数字であること:34件・900万円は、会社が「現時点で確認している」ものです。調査が続いているので、数字が変わる可能性があります。
  3. 続報の出どころ:調査結果や再発防止策は、日本生命のニュースリリース一覧に載ると考えられます。SNSの書き込みより、公式の発表で確かめるのが確実です。

同じ10月には、金融庁がプルデンシャル生命とジブラルタ生命に業務停止命令を出しています。こちらは行政処分で、今回の日本生命の件とは別の話です。処分の内容と既存契約の扱いはプルデンシャル生命・ジブラルタ生命の業務停止命令の記事にまとめています。医療保険の給付のしくみそのものは、高額療養費が変わったあとの医療保険の整理で扱っています。

まとめ

  • 日本生命は2026年10月27日、高松支社に所属していた30歳代女性の元職員による、医療保険の給付金の不正請求を発表しました。
  • 期間は2024年12月〜2026年1月。本人の医療保険で5件・150万円、ほかの被保険者の請求への加担で29件・750万円、合計34件・900万円です。
  • 日本生命は被害届を提出済みで、捜査に協力しつつ社内調査を続け、再発防止策をつくるとしています。
  • 在宅起訴や容疑を認めていることは報道による情報で、発表文には書かれていません。
  • 加担された被保険者の扱い、回収状況、再発防止策の中身は、10月29日時点で公表されていません。

出典

資料発表・更新確認日
日本生命 ニュースリリース「元職員による不正な給付金請求事案について」2026年10月27日2026年10月29日
時事ドットコム「日本生命、元職員が給付金不正請求 合計900万円」2026年10月27日2026年10月29日
日本経済新聞「日本生命、元営業社員が給付金不正請求 書類偽造で計900万円」2026年10月27日2026年10月29日
TBS NEWS DIG「日本生命元職員が給付金を不正請求 約1年で計34件、約900万円にのぼる」2026年10月27日2026年10月29日
新日本保険新聞「日本生命、元職員による不正な給付金請求事案について」2026年10月27日2026年10月29日

注意・免責

この記事は2026年10月29日時点の公表資料と報道をもとにした事実の整理です。特定の保険会社や商品の評価、契約の継続・解約をすすめるものではありません。事案の内容は調査や捜査の進み方によって変わることがあるため、最新の情報は日本生命の公式発表で確認してください。

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