自賠責保険料が11月1日から平均6.2%上がる。車検で払う金額の差と、2027年の任意保険の更新で確認すること(2026年)

車の運転席でハンドルを握り、前を見て運転するスーツ姿の男性

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2026年11月1日以降に保険期間が始まる自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)から、保険料のもとになる基準料率が平均6.2%引き上げられます。もっとも代表的な自家用乗用自動車の24か月契約(離島と沖縄県を除く地域)では、17,650円から18,560円へ、910円上がります。保険料水準の見直しは2023年4月の引下げ以来で、今回は引上げです。

自賠責保険は、車検のときにまとめて払うことが多いため、金額が変わったことに気づきにくい保険です。また、任意の自動車保険についても、保険料のもとになる「参考純率」が2027年1月以降に始まる契約を想定して平均14.4%引き上げられています。損害保険料率算出機構と国土交通省の公表資料をもとに、いくら変わるのか、いつの契約から変わるのか、更新や車検の前に何を見ておけばよいかを順番に整理します。

目次

11月1日から自賠責保険料はいくら上がるのか

損害保険料率算出機構は、2026年4月30日に自賠責保険の基準料率の変更を金融庁長官に届け出て、2026年5月21日に適合性審査が終わっています。新しい料率は、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に使われます。主な車種の改定例は次のとおりです(離島と沖縄県を除く地域)。

車種・保険期間 現行 11月1日以降 差額(改定率)
自家用乗用自動車・24か月 17,650円 18,560円 +910円(5.2%)
軽自動車(検査対象車)・24か月 17,540円 18,660円 +1,120円(6.4%)
一般原動機付自転車・24か月 8,560円 9,630円 +1,070円(12.5%)
自家用小型貨物自動車・24か月 20,340円 21,430円 +1,090円(5.4%)
自家用乗用自動車・36か月 23,690円 24,690円 +1,000円(4.2%)
軽自動車(検査対象車)・36か月 23,520円 24,830円 +1,310円(5.6%)
一般原動機付自転車・36か月 10,170円 11,480円 +1,310円(12.9%)

平均は6.2%ですが、車種と保険期間で上がり方が違います。乗用車より軽自動車のほうが上がり幅がやや大きく、原付は率にすると1割を超えます。家族で車とバイクを持っている家庭では、まとめて見ると負担の差が出やすいところです。

車検のときに使われやすい25か月・37か月の金額

自賠責保険は、車検証の有効期間をまかなえる長さで契約します。そのため、継続車検では24か月より1か月長い25か月、新車の登録時には37か月で契約するケースがよくあります。損害保険料率算出機構の基準料率表で、新旧を並べると次のとおりです(離島と沖縄県を除く地域)。

車種・保険期間 現行 11月1日以降 差額
自家用乗用自動車・25か月 18,160円 19,070円 +910円
自家用乗用自動車・37か月 24,190円 25,180円 +990円
軽自動車(検査対象車)・25か月 18,040円 19,170円 +1,130円
軽自動車(検査対象車)・37か月 24,010円 25,330円 +1,320円
自家用乗用自動車・12か月 11,500円 12,250円 +750円
軽自動車(検査対象車)・12か月 11,440円 12,300円 +860円

自賠責保険の基準料率は、損害保険料率算出機構の会員である損害保険会社がすべて使っています。同じ車種・同じ期間・同じ地域なら、どの損害保険会社で入っても自賠責保険料は同じです。自賠責共済の掛金は、各共済の案内で確認してください。

車検の日ではなく「保険期間が始まる日」で決まる

新しい料率が使われるかどうかは、申し込んだ日や車検を受けた日ではなく、自賠責保険の保険期間が始まる日(始期日)で決まります。2026年10月31日までに始まる契約は現行の料率、11月1日以降に始まる契約は新しい料率です。

継続車検で結ぶ新しい自賠責保険は、いま入っている自賠責保険の満了日から始まるのが一般的です。たとえば10月中に車検を受けても、新しい自賠責保険の始期日が11月1日以降になれば、新しい料率で計算されます。逆に、いま入っている自賠責保険の保険料が、11月になった時点で途中から上がることはありません。

車検の見積書には、自賠責保険料・重量税・印紙代などの法定費用が並びます。見積もりをもらったら、自賠責保険の始期日と契約期間(24か月か25か月か、など)を一緒に見ておくと、金額の違いの理由がわかりやすくなります。

なぜ自賠責保険料が上がるのか

自賠責保険の保険料は、利益も損失も出さない「ノーロス・ノープロフィット」の考え方で計算されています。これまでの契約で積み上がった余りや運用益(滞留資金)を、保険料を下げる方向に使ってきました。

損害保険料率算出機構によると、2023年度に引き下げた現行の料率には滞留資金の一部が充てられていて、純保険料率は収支が釣り合う水準より3割程度安く設定されていました。その滞留資金が保険金の支払いで減ってきたことに加え、物価や賃金の上昇も重なり、引上げが必要になったと説明しています。

  • 純保険料率(保険金の支払いに充てる部分) … 2022年度末に7,239億円あった滞留資金が、2025年度末には約5,215億円の見込みまで減少。収支を合わせるため1.9%の引上げ
  • 社費と代理店手数料(事務や損害調査、募集の費用) … 物価・賃金の上昇でシステムや事務の費用が増え、合計で4.3%の引上げ

事故そのものが急に増えたというより、保険料を安く抑えるために使っていた資金が減り、運営の費用も上がった、という整理です。政府の保障事業などに充てる賦課金の金額は、今回は変わっていません。

自賠責で補償される範囲と、任意保険が担う部分

自賠責保険は、自動車事故で他人を死傷させたときの人身損害を補償する、法律で加入が義務付けられた保険です。国土交通省の案内では、被害者1人あたりの支払限度額は次のとおりです。

損害の区分 支払限度額(被害者1人につき)
傷害による損害 120万円
後遺障害による損害 常時介護を要する場合(第1級)4,000万円、随時介護を要する場合(第2級)3,000万円。それ以外は第1級3,000万円〜第14級75万円
死亡による損害 3,000万円

相手の車や建物などの物の損害、自分のケガや自分の車の修理は、自賠責保険の対象外です。賠償額が限度額を超えた分も、自賠責保険では払われません。こうした部分を受け持つのが、任意の自動車保険の対人・対物賠償や人身傷害、車両保険です。いまの証券でどこまで備えているかは保険証券を見てみよう(自動車保険編)で、見る場所を順番に整理しています。

2027年1月以降、任意の自動車保険も上がりやすい

任意の自動車保険についても、損害保険料率算出機構が2026年6月23日に参考純率の変更を届け出て、6月30日に適合性審査の結果通知を受けています。内容は次の2つです。

  • 参考純率の水準を平均14.4%引上げ … 2027年1月以降に保険期間が始まる契約を想定
  • 運転の特性を保険料に反映する区分を新設 … ドライブレコーダーなどで測った急加速・急減速の頻度で1〜3の3区分に分ける(1がもっともリスクが低く保険料が安い)。安全運転をすると保険料が安くなる仕組み

引上げの理由として挙げられているのは、事故の件数ではなく1件あたりの支払いの増加です。事故率は衝突被害軽減ブレーキなどの普及もあって緩やかに減っている一方、対物賠償や車両保険では、物価の上昇、高性能な部品の普及による部品代の上昇、工賃の上昇、修理期間が長くなることによる代車費用などの増加が、それを上回っていると説明しています。

代表的な契約例での参考純率の改定率は、次のとおりです(45歳・26歳以上補償・20等級などの条件付き)。

契約例 自家用普通乗用車・自家用小型乗用車 自家用軽四輪乗用車
対人・対物・人身傷害・車両保険のセット +17.2% +17.5%
上記から車両保険を除いたセット +16.4% +15.8%

ただし、参考純率は保険会社が使う「保険金の支払いに充てる部分」の目安で、使う義務はありません。実際の保険料には各社が決める経費の部分も加わり、改定率や時期は会社ごとに違います。「来年はどの会社も14.4%上がる」という意味ではない点は押さえておきたいところです。

各社は独自のタイミングでも改定していて、2026年中にも東京海上日動が1月と10月に、楽天損保が11月1日以降に始まる契約から自動車保険を改定しています。自分の契約で何が変わるかは、契約先の改定案内と更新時の見積書で確認するのが確実です。契約時に複数年分の保険料が決まる長期契約の仕組みはソニー損保の長期自動車保険(3年契約)の仕組みで、同じ時期の損害保険の改定は火災保険が10月の更新分から改定。更新案内で確認することで整理しています。

車検の見積もりと更新案内で確認すること

自賠責保険は加入が義務で、保険料も各社共通なので、選び方で金額を変えることはできません。家計で見直しの余地があるのは、任意の自動車保険のほうです。更新案内や車検の見積もりが届いたら、次の点を確認しておくと、保険料が上がったときにも判断しやすくなります。

  • 自賠責保険の始期日と契約期間 … 11月1日以降に始まるか。24か月・25か月・37か月のどれか
  • 任意保険の満期日 … 2027年1月以降に満期が来る場合は、改定後の保険料で更新される可能性がある
  • 運転者の範囲と年齢条件 … 家族の免許や運転する人が変わっていないか
  • 車両保険の有無と補償の型 … 車の年式や価値に対して、いまの補償の厚さが合っているか
  • 重複している特約 … 弁護士費用特約や個人賠償責任特約が、火災保険など別の契約と重なっていないか

補償を薄くすれば保険料は下がりますが、対人・対物賠償は事故の相手への備えです。金額だけで削るのではなく、何に備えている部分なのかを確かめてから決めるのが安心です。

保険見直しラボは、自動車保険も相談の対象に挙げていて、訪問かオンラインで証券を見ながら家計の保険全体を整理する方法です。特定の保険の契約や乗り換えを勧めるものではありません。

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確認する順番のまとめ

  1. 車検証と自賠責の証明書で満了日を確認する … 次の自賠責保険が11月1日以降に始まるかどうかを把握する
  2. 車種と契約期間で新しい保険料を見る … 自家用乗用車の24か月は18,560円、25か月は19,070円、軽自動車の24か月は18,660円(離島と沖縄県を除く)
  3. 車検の見積書で法定費用の内訳を見る … 自賠責保険料の始期日と期間が見積もりに合っているかを確かめる
  4. 任意保険の満期日と改定案内を確認する … 参考純率の平均14.4%引上げは2027年1月以降の始期を想定。実際の改定は会社ごとに違う
  5. 補償の範囲を証券で整理してから見積もりを比べる … 運転者の範囲、車両保険、重複する特約を見直し、対人・対物の備えは残す

まとめ

自賠責保険の基準料率は、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から平均6.2%引き上げられます。自家用乗用自動車の24か月契約は910円増の18,560円、軽自動車は1,120円増の18,660円です(離島と沖縄県を除く)。適用は車検の日ではなく保険期間の始期日で決まり、どの損害保険会社でも保険料は同じです。

任意の自動車保険も、参考純率が2027年1月以降の契約を想定して平均14.4%引き上げられていて、各社の改定が続く可能性があります。自賠責保険は選べない一方、任意保険は補償の範囲で保険料が変わります。満期日と改定案内を確かめ、証券で補償の中身を整理してから更新を考えると落ち着いて判断できます。

出典

注意・免責

本記事は、2026年10月12日時点で損害保険料率算出機構・金融庁・国土交通省・各損害保険会社が公表している資料をもとに、自賠責保険の基準料率改定と任意の自動車保険の参考純率改定を整理したものです。掲載した自賠責保険料は、離島と沖縄県を除く地域の基準料率で、離島・沖縄県や車種・保険期間によって金額は異なります。自賠責共済の掛金は各共済の案内を確認してください。参考純率は保険会社が使う純保険料率の目安であり、実際の任意保険の保険料・改定率・改定時期は各社の判断で決まります。記載は情報提供であり、特定の保険の契約や乗り換えを勧めるものではありません。契約や更新の判断は、見積書・重要事項説明書・約款を確認のうえ、保険会社・代理店や相談窓口に確認してください。

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