文芸美術国民健康保険組合に加入する時の注意点

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文芸美術国民健康保険組合とは?

文芸美術国保(文芸美術国民健康保険組合)は、昭和28年、国民健康保険法に基づき、旧厚生省の認可を得て設立された公法人です。JILLAをはじめ、日本文芸家協会や日本美術家連盟など63の団体が加盟して運営する健康保険組合です。自治体の国保と違い、所得金額に関係なく保険料が固定なので安心して支払ができ、保険料支払額が大幅に軽減できる場合があります。

https://jilla.or.jp/insulance

通常、会社員と違いフリーランスの場合は国保つまり国民健康保険に加入することになります。しかし会社員の場合、保険料を会社と従業員で折半かつ補償内容も充実しているのに対して国民健康保険は所得や自治体などに応じて金額も変わりかつ補償内容も劣る部分が出てきます。とは言えフリーランスの道を歩んだ以上仕方が無いことではありますがやはり心許ないということで何か無いだろうか?その中で特定業種のフリーランスの方が使える健康保険があります。それが文芸美術国保というものです。

誰が加入できる?

下記に記載がある様に63の団体のいずれかに所属していることが条件となります。

日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、 組合加盟の各団体の会員である者とその家族。

●なお、法人事業所の事業主、従業員の方々は健康保険が強制適用となっており、当組合を含め、国民健康保険には加入できません。

●後期高齢者の方(75歳以上の方、または65歳以上75歳未満で広域連合より認定を受けている障害者の方)は加入できません。

●住民票上同一世帯の方については、健康保険に加入すべき方、後期高齢者医療制度に加入されている方を除き、ご一緒に加入となります。

http://www.bunbi.com/index.html

因みにGoogleなどの検索エンジンで「文芸美術国保」と検索するとJILLA(日本イラストレーション協会)のサイトが一番上に来てしまうのでこちらが本元と勘違いする人もいるかもしれませんがこちらはあくまで所属団体の1団体に過ぎません。ただ加入者が多いことから本家のサイトより上位に上がってきていると思われます。また組合員の福利厚生サービスが充実していることも理由の一つと思われます。

【ご注意】文芸美術国民健康保険組合は、JILLAが運営する組織ではありません。

https://jilla.or.jp/insulance

この様に注意事項として記載もされています。よって加入を希望するにはまず、自分の職業がどの団体に当てはまるのかを判断し組合員に加入後、文芸美術国保に加入をするという形になります。

http://www.bunbi.com/index.html

団体ごとに受けられる恩恵は違いますのでひとまずJILLA(日本イラストレーション協会)を参考に加入の流れを伝えたいと思います。

まず組合員にならなければ保険にすら入れませんので自分が組合員に該当するか?を確かめます。ここはかなり重要な点でこれは参照サイトにも記載がされて注意喚起されています。

文芸美術国保への加入を希望されるWEB関連事業者の方へ

税務署受付印またはe-taxにて電子申告された形跡が確認できる直近の確定申告書控の職業欄に「WEBデザイン」または「WEBデザイナー」の記載があれば、日本イラストレーション協会にはご加入いただけますが、日本イラストレーション協会と文芸美術国保の加入審査基準は違っており、事業実態がSE、プログラマー、コーダーなどのシステム関連の事業である場合やアフィリエイト収入である場合、WEB『デザイン』業が主たる事業内容であることを具体的に証明する書類をご提出いただけない場合は、当協会に加入されても文芸美術国保への加入は承認されませんのでご注意ください。

https://jilla.or.jp/insulance

特にWEB関係ですね。こちらの団体であれば日本イラストレーション協会ですのでデザイン業を生業としていることが必須条件となります。つまりコーダーやSEはデザイン業とは関係ない為、まず組合員になれても保険に加入できない可能性があります。これはそもそも運営団体が違うので仕方が無いことですがこちらの団体を使ってどうしても加入したいという場合、今から開業する人はとりあえずは「デザイン」という言葉を忍ばせておきましょう。

また当たり前ですが組合員になるには組合費を払う必要があります。その点や加入までの流れは下記アドレスが分かりやすく流れを記載されていますのでそちらを参照下さい。

JILLA 日本イラストレーション協会...
加入のお申し込み | JILLA 日本イラストレーション協会 ジャイラ 加入のお申し込み。ジャイラはフリーランスで活動するイラストレーター、グラフィックやウェブデザイナーが加入できる協同組合です

保険料について

こちらなのですが本元サイトと日本イラストレーション協会とで金額に誤差がありますが改訂が本元サイトの方が最新かつ改訂予定となっている為、現時点(2023.3.16)時点では

組合員の収入が、多い少ないにかかわらず均等です。

令和5年度の保険料(予定額)

組合員 1人月額 24,800円
 (医療分 19,600円 後期高齢者支援金分 5,200円)
家 族 1人月額 14,800円
 (医療分 9,600円 後期高齢者支援金分 5,200円)
介護保険料
 (満40歳から64歳までの被保険者)
      1人月額  5,700円

※正式決定は、3月末頃を予定しております。

未就学児世帯支援金について
 ◎11月末時点で、当組合の資格を有している未就学児(6歳に達する   日以後の最初の3月31日以前である被保険者)がいる場合、未就学   児一人につき年額12,000円の保険料軽減を実施いたします。
  交付基準日がありますので、ご不明な点がありましたら、組合まで   ご連絡ください。
 ◎対象世帯の方には別途ご郵送いたします。

お支払方法は口座振替です。
支払回数は6回、4回、2回、1回(年に一度)です。

http://www.bunbi.com/premium.html

この様になっています。

ただこちらの文芸美術国民健康保険組合に加入できる団体はここだけではありませんので各組合のサイトを確認した上で自分の事業内容と合っていることと費用と相談してから判断することをお勧めします。また収入内容によっては国民健康保険の方が安いという場合もありますし法人化してしまう方が安くなるというケースもあるのでその辺りは分からない時には専門知識のある者に聞きましょう。

つまりご自身の今払っている国民健康保険と比較してどちらが安いかを見た上で判断すると良いでしょう。

文芸美術国民健康保険組合の最大メリットとデメリットまとめ

最大というと語弊があるかもしれませんが納める保険料が収入に関わらず一定の為、ある程度の稼ぎがある人であれば単純に保険料の節約の恩恵を受けられるという点でしょう。また各組合のサービス(こちらは文芸美術国民健康保険組合とは全く関係ないですが)を享受できるというのもメリットの一つです。一方で上記でも述べた通り「保険料が一定」の為、収入が低い場合でも高い人と同じだけ払う必要がある点やシステムとしては国民健康保険とほぼ変わりがないと言ったところがデメリット?でしょうか。

因みに会社員の保険に含まれる傷病手当は文芸美術国民健康保険組合では無く今回の説明のケースであれば日本イラストレーション協会の福利厚生として提供されていますが実はこれらのサービスは商工会議所などに所属することでも受けることができます。よって所得がほどほどにある人はこう言った組合に所属し保険料を抑える。所得がそもそも少ない人は国民健康保険のままでも良い。ものすごく稼いでいる人は・・・さっさと法人化して下さい。というのが私からできる最低限のアドバイスです。

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この記事を書いた人

元生損保取扱保険代理店勤務
保有資格
AFPファイナンシャルプランナー
国家資格キャリアコンサルタント

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