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フリーランスになって最初に保険を探すと、医療、がん、変額、外貨建てが同時に降ってきます。順番を間違えると、本当に必要な穴が空いたまま、貯蓄のつもりで保険にお金が消えます。2026年8月時点の整理です。
結論から書きます。最初に入るべきなのは、実質3つです。
- 賠償責任
- 所得補償(または就業不能)
- 死亡保障(扶養する家族がいる場合)
医療とがんは4番目です。貯蓄型の変額は、さらに後ろです。おすすめの保険料は書きません。最新の掛金は、公式で確認してください。
会社員との違い。傷病手当金も労災もない
会社員時代の保険は、会社が先に穴を塞いでくれていました。独立すると、その下敷きが消えます。ここを無視して「みんな入っている医療保険」から始めると、順番が壊れます。
傷病手当金がない
協会けんぽなど被用者保険には、病気やケガで働けないときの傷病手当金があります。市町村の国民健康保険には、原則ありません。フリーランスが熱を出して2週間寝ても、公的医療保険から生活費は出ません。
国保の保険料は自治体で差があります。独立直後は前年度所得で算定されるので、収入が落ちた年に保険料だけ残る、ということも起きます。会社員のときの「折半」感覚のまま見積もると、手元が足りません。
労災がない
業務中の事故も、原則は労働者向けの労災保険の外にいます。一人親方の特別加入など、業種によっては入口がありますが、全員に自動では付きません。仕事中に自分が壊れるリスクと、他人を壊すリスクは、会社員のときより剥き出しです。
健康診断も会社が強制しません。国保の健診や人間ドック補助を、自分で取りに行く必要があります。借入や生命保険の告知の前に、体の記録がない、という状態は、事業主としては弱いです。
最初に入るべき保険は3つ。順番がすべて
個人事業主の定期保険の記事でも一度整理しました。損害側が先、生命側が後、です。貯蓄は、そのあとです。
1. 賠償責任
仕事で他人に損害を与えたときの補償です。情報漏洩、納期遅延、納品物の瑕疵、著作権、作業中の器物損壊。損害賠償は自動車の任意保険と同じ位置づけです。車を任意保険なしで走らせないなら、仕事も同じです。
医療保険より先です。病院代は高額療養費で上限が見えます。賠償は上限が見えません。「すみません」では終わらない、という話を、FREENANCEのレビューでも書いています。
FREENANCEの無料会員に付くあんしん補償Basicは、この賠償側です。登録した当日開始ではありません。口座を使わないと休止中になり、補償が外れる、という既存記事の注意もあります。業種専用の賠償(製造物、請負、サイバー)が要る人は、Basicだけで足りるかは別問題です。補償範囲は公式で読んでください。金額の一覧は、ここでは書きません。
2. 所得補償・就業不能
自分が壊れたときの生活費です。名前が似た商品が三つあります。詳細は所得補償の記事に譲ります。
- 所得補償保険:損保。ケガや病気で働けないとき。期間は短いものが多い。免責は短め
- 就業不能保険:生保。所定の就業不能状態が続いたとき。精神疾患対応をうたう商品もあるが、入院条件などで外れることがある
- 収入保障保険:生保。基本は死亡したときの分割払い。働けない話ではない
個人事業主、とくに手を使う仕事なら、支払い条件の緩さから所得補償を先に見る、というのが既存記事の立場です。商工会議所や業種組合の団体割引があるかも、確認してください。会社員向けに就業不能を勧める話と、フリーランスの所得補償は別物です。カタログの「精神疾患も」だけで決めないでください。
最新の保険料は書きません。職業・年齢・補償額で変わるうえ、販売停止や補償額の上限も会社によって違います。公式の見積もりを取ってください。
3. 死亡保障(家族がいる場合)
扶養する人がいなければ、大きな死亡保障は後回しでいいです。30代独身の記事でも、死亡保障は基本不要と書きました。配偶者がいる、子どもがいる、親を実質的に養っている、なら必要額を先に出します。
開業直後でキャッシュが細いなら、更新型の定期保険で期間を短く取り、延長・短縮が使える商品を検討する、というのが個人事業主の定期保険の趣旨です。解約返戻金のない掛け捨てが安いのは事実ですが、経営者は「入ったあとで形を変えられるか」が効くことがあります。貯蓄の終身や変額で死亡保障を買うと、保険料が先に膨らみます。
医療・がんは4番目
高額療養費があります。蓄えが薄い人、がん治療中の収入減が怖い人は検討余地があります。ただし1〜3が空いたままの医療保険は、順番が違います。がん保険の「2人に1人」は年齢構成を見ないとミスリードになる、という話は30代の記事に書きました。
国保・文芸美術国保・小規模企業共済との関係
民間保険の前に、公的と共済を見ます。ここを飛ばして変額の設計書を開く人が、独立直後には多いです。
市町村国保は、住む場所で保険料が違います。同じ所得でも手元が変わります。業種によっては文芸美術国保のように、所得に関係なく定額に近い組合国保があります。加盟団体の会員であることが条件で、法人の事業所は対象外、といった制約もあります。安いから誰でも、ではありません。詳細と注意点は既存記事と、組合の公式案内を見てください。現行の掛金は書きません。
見せかけの雇用契約で社保に入れる、という話は今もあります。国保の記事でも書きましたが、私は勧めません。穴が塞がれたあとに、過去分まで請求されるリスクを、自分で説明できる人はほとんどいません。
小規模企業共済は、経営者・個人事業主の退職金積立です。掛金は所得控除、貸付もある。途中解約は元本割れし得ます。保険の貯蓄で退職金を作る前に、こちらを先に見る、というのが私の順番です。iDeCoと併用する人もいます。保障は保険、積立の器は共済とNISA、と分けたほうが事故は少ないです。
国保の健診を使わず、民間の人間ドックだけ高い、というのもよくある無駄です。健診の記事に自治体の例を書いてあります。住んでいる市町村の案内が正です。
FREENANCEあんしん補償と所得補償の考え方
FREENANCEは、口座、請求書の即日払い、賠償のBasicがセットのサービスです。怪しいかどうかは既存レビューに譲ります。ここでは保険の穴としてだけ書きます。
- 無料のあんしん補償Basicは賠償。所得補償は付かない
- 所得側は有料のあんしん補償プラス
- 既存記事では、免責期間がある、団体割引が付くことがある、健康状態で引受が分かれる、と整理している
- 補償開始は会員登録の当日ではない
料金も補償額も、2026年8月時点の最新は公式で確認してください。ここでは金額を書きません。過去記事に出ている数字を、今の料金として使い回すのもやめます。
所得補償はFREENANCE以外にも、損保各社や組合経由があります。無料の賠償だけ入って、生活費の穴を放置する人が多いです。逆に、ファクタリングの手数料だけ見て保険を軽く見る人もいます。目的を分けてください。
変額保険を、資産形成として売りつけられやすい件
独立すると「将来の退職金がないですね」から変額が始まります。NISAと並べられ、保障も付くので一石二鳥、というトークです。
運用だけならNISAです。変額は保険関係費用と解約控除が乗ります。フリーランスは収入が月で揺れます。10年解約控除の商品は、売上の谷で解約すると、相場以前に費用で削られます。
先に塞ぐのは賠償と所得補償です。死亡保障が要る人は掛け捨ての定期です。変額は、1〜3を入れ、NISAも回したあとの話です。仕組みの整理は変額保険はNISAの代わりになる?に書きました。外貨建ても同じです。利率の高さで、事業のリスクを増やさないでください。
新社会人の保険でも触れましたが、変額や外貨は「積立」で懐が緩みやすい。会社を辞めた直後は、その緩みがさらに大きいです。
順番を守るためのチェック
- 仕事の賠償は、今日から説明できるか
- 自分が3ヶ月止まったとき、生活費はどこから出すか
- 家族がいるなら、死亡時の必要額を言えるか
- 国保の健診、文芸美術国保の可否、小規模企業共済は見たか
- 変額や外貨を、NISAの代わりだと思っていないか
この順番で入った場合のメリット
- 上限の見えない賠償を先に閉じられる
- 会社員なら会社が持っていた所得の穴を、自分で埋められる
- 貯蓄保険に食われる前に、キャッシュを残せる
順番を無視した場合のデメリット
- 医療や変額に月々を持っていかれ、賠償が空く
- 売れない月に解約控除で積立が減る
- 「入っている」安心感だけで、支払事由を読んでいない
元代理店の感覚では、フリーランスの保険相談は「何に入るか」より「何を後回しにするか」で決まります。3つを入れて、残りは相談で十分です。個別の支払事由と最新の掛金は、公式と設計書で確認してください。


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[…] フリーランスで、賠償責任や所得補償が空いたまま(先にそちらです) […]