日銀のマイナス金利解除が経済にどういう影響をもたらすかの考察

日銀(日本銀行)のマイナス金利解除の宣言があり、これからの経済がどう変化するのか調べてみました。
日銀、マイナス金利解除へ 17年ぶり利上げ、19日決定

目次

景気を良くするための日銀のマイナス金利政策

そもそもマイナス金利というは、民間の金融機関が日銀に預けている預金金利をマイナスにすることを意味します。

日銀は一般の銀行とは違い、経済のお金の流れを作ることを行っています。お金の発行・物価の安定・金融システムの安定が主な役割であり、みんなが使う紙幣を発行し、民間の金融機関からお金を預かったり貸し出すことと、国のお金の出し入れをする国の銀行という立ち位置です。

日銀の役割

  1. お金の発行
  2. 物価の安定
  3. 金融システムの安定

今回のマイナス金利解除に関係するのは、この中の民間の金融とお金のやり取りの部分です。

企業の金融機関は他銀行との取引のため、日銀の当座預金口座に一定の預金を預け入れること(準備預金)が決められています。

これは私達が銀行にお金を預け入れることと同様、その時の水準に従って利子がつきます。これをあえてマイナス金利にすることが日銀のマイナス金利政策。

預金者が本来もらえる利子をあえてマイナスにする。つまり預金者はお金を払ってお預かってもらうのでマイナス金利なわけです。

民間の金融機関からすれば、お金を預けるのにコストが掛かるわけですから、それなら民間企業や個人にお金を貸して金利でプラスにするよう動きます。

つまり、民間の金融機関がお金を貸し出すことで社会にお金が回るようにするのがマイナス金利政策の狙い。

しかし実際のところは、企業は充分な事業拡大が行えるような状況ではありません。この状況改善するための施策なので、それができるようになるのはもっと先です。

企業は雇用・賃上げ・設備投資に積極的ではないため、民間の銀行はお金を貸したくても貸す場所がない状況なので、少しでもお金を借りてもらうために金利を下げます。

金利が下がれば企業はお金を借りれるようになります。お金を借りた企業は消費・投資へお金が使えるようになり、経済にお金が回りだします。

また、個人の住宅ローンも同様です。経済にお金が充分に回らない状況だと、金利の高いローンでは住宅ローンを組む人は中々居ません。企業への金利が下がるのと同様、住宅ローンの金利も下がります。更には住宅ローン控除やすまい給付金のお陰で、一般消費者はより住宅ローンが組みやすい状況になり、経済にお金が回るようになります。

つまりマイナス金利政策は、企業と人が多額のお金を社会に回すことで景気を良くすることであり、民間がお金を借りたい状況にするのが狙いです。

マイナス金利解除によって予測される動き

このマイナス金利が解除されるということは、これまでの経済のお金の流れが変わることを意味します。

企業の金融機関は日銀にお金を預けることで金利が発生するようになり、一般企業や一般消費者に対して低金利でお金を貸すメリットが減るため、金利はこれから上がることが予想されます。そして一時的な金利の低下は株価を上昇させる傾向にあります。

企業がお金を借りて施策ができるなら、当然そこに投資をする人も増えて株価が上昇するわけです。

逆を返せば、金利が上がるとお金を借りる企業や人が減り、資金調達できない企業からすれば新たな施策がやりづらくなるため企業の成長速度が下がります。そうなると当然投資をする人も減ってしまい株価は減少します。

ただ、株価はそれ以外の様々な要因で変動するため、これだけで決まるわけでは無いことと、すべての企業がこの構図に当てはまるわけではありません。

例えば、金利が上昇するケースだと金融関係の株や金利上昇で運用環境が改善する生損保などは恩恵を受けることが予測できます。

また景気の向上から円の価値が円安の推移から円高へ推移するとも予測されており、円高に推移すると円安で日本株を保有していた海外の投資家は株を利確するために日本株を売る動きが予測できます。

この円高への転換は輸入と輸出にも大きな影響となります。

輸入の場合、海外から製品を買う金額が安くなります。そうなると海外から安く仕入れる結果国内の物価が減少傾向となります。

一方輸入の場合、海外への販売価格が上昇するため、国際競争力が低下し輸出が減少します。

こうなると貨幣価値は上がりますが、モノが売れずにお金を稼ぐことができなくなってしまい、デフレが発生します。

これはつまり不景気な状態ですね。

日銀のマイナス金利解除の影響がどこまで作用するのかが非常に気になるところです。

まとめ

日銀のマイナス金利解除でこれからどうなっていくのか予測はあまりいいものではない感じがしますが、すべての業種に対してネガティブな訳では無いので、まずはしっかり経済の流れを見ながら株価の動きを見ていく必要がありそうです。

参考文献

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この記事を書いた人

運営会社の代表です。
普段は Web サイト制作のデザインや開発などを業務に行っています。
フリーランスの期間が5年ほどありますので、その中で必要に感じたサービスやお金に関することなどをこのメディアで書いています。

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