フリーランスと会社員、両方経験者は注意が必要
10月からインボイス制度が施行され、ほとんどの免税業者はインボイス制度の登録を行っていると思われます。特に3年間は猶予措置もあるので実際のところ取引先を失う損失を考えた場合に登録を行ったほうが良いと判断した個人事業主も多いのでは無いでしょうか。
ただ中には副業として仕事をしておりそれなりの収益となったため、青色確定申告を受けるために開業届けを出したもののインボイス制度登録まで踏み切れずにいる方や、中には会社員に戻ったという人もいるかも知れませんね。
今回、お伝えするのはその少し逆パターンになりますが今からあえて開業、フリーランスとして生きて行く人、また上記のように副業が成功して独立を考えているという人の為に少し、注意点だけお伝えしておこうと思います。
良くも悪くもサラリーマンは楽
こんなことを言うと世のサラリーマンに怒られてしまうかもしれませんね。
ただ実際のところ、サラリーマンはよほどの零細企業やブラック企業出ない限り、かなり守られた立場にいます。
年金一つとっても個人事業主は国民年金のみですので自助努力としてiDeCoなどの活用が必要なのに対し会社員には厚生年金があります。また、怪我などで働けなくなったときの補償制度にも大きな違いがあります。
一方の個人事業主は自衛をしておかなければ収入はゼロとなってしまいます。
もちろん、これはあくまで一例であり、個人事業主にしかないメリットも存在するため、これだけで片付けるのはフェアでは無いでしょう。
それでもフリーランスにあこがれて成果を上げたのだけど・・・
実際、そんな方は多いと思います。特に数年前から大手企業の副業解禁や働き方改革、フリーランスの働き方がいかに素晴らしいかを説いた書籍や動画、様々なコンテンツが生み出されてきました。
そこにコロナ禍という避けられない現実が重なって、特にリモートワークを目指す人々が多く現れた印象です。
それ自体は何ら悪いことでもないですがこれによりうまく軌道に乗り個人事業主として独立した方も多いかもしれません。
ところがそのまま軌道に乗って上手く飛び立てた人もいる中で、やはり需要と供給のバランスの崩れなどからの適正価格の暴落や新たなツールなどの登場によって、再浮上の機会を狙うために就職という手段を選択した人たちも多くいるでしょう。
サラリーマンに戻るときに気をつけて欲しいこと
フリーランスからサラリーマンに戻る。これ自体は何ら問題ありません。もちろん、年齢の壁やスキルなど条件面などで折り合いがつかず就職が中々、決まらないということはあるでしょうがそちらに関しては今回はスルーをさせて頂きます。
今回、お伝えしたいのはフリーランスからサラリーマンに戻る時に「廃業届」を提出するかどうか?という問題点です。
そもそも、開業届けを出してないよ。という人は関係が無いのですがフリーランスとして活動していた場合、まず間違いなく開業届けを提出していたと思われます。
そもそも、これを提出していないと青色確定申告だけでなく、今回のコロナ助成金のような様々な国や県など自治体からの支援が受けることができないため、よほどの理由が無い限りは提出済みのはずです。
ただ、再就職をする際に実はこの廃業届は実は出す必要がありません。
そのため、うっかり廃業届を出し忘れたりまた、フリーランスに戻るかもしれないからと意図的に出さない方もいます。
サラリーマンとして入社し、仕事をこなしていく。それ自体には何ら問題は無いのですが万が一、その会社を何らかの理由で退社となった場合にこれは問題になるケースがありえます。
副業をするなら知っておくべき
すでにご存知の方も多いかもしれませんが会社員をしながら副業で収入を得るというスタイルは決しておかしなことではありません。
人によっては副業収入の方が多いけれど生活リズムや福利厚生、社会的安定を求めてわざわざ、会社員として努め続けている方もいます。
それが上手く回っているときは全く問題はありません。問題となるのはなんらかの理由によって会社を退職した時に副業での収入が上記の方のように何ら生活に支障がない場合です。
問題となるのは会社員に戻ったのでさてフリーランスをこれから始めよう。もしくは再開しよう。ゼロから再スタートだ!
という人です。
何故、問題なのでしょうか?実はここで廃業届を出しているかいないかの問題が発生してくるのです。
通常、自己都合や会社都合など理由は様々ありますが会社を退職すると離職票というものが発行されます。
もちろん、次の就職先が決まっている場合には問題が無いのですが突然の倒産や解雇、病気など事情があって次の行き先が決まっていない場合には失業保険の請求を行う流れになると思います。
当たり前ですがお金がなければ食べてはいけませんよね?
ところが廃業届を出していないと実はこの失業保険を受取る資格がそもそも無い。という事態になってしまうのです。
理由は簡単「あなた、働いているじゃないですか?」
「どういうこと?」と思った人もいるかもしれません。
しかし、よく考えて見てください。あなたは廃業届を出していない。つまり開業している「個人事業主」なのです。
となると扱い上、あなたは仕事が今、あろうがなかろうが個人事業主として事業を行っており仕事についている。
つまり、「失業していない」とみなされます。
フリーランス⇔サラリーマン
どちらの働き方にもメリット、デメリットは存在します。
ただ、こういった不安定な状況下の中で会社員に戻る方やフリーランスを目指すべきか悩む人は多くいるかと思います。
その際にはまず、どちらが自分にとって心地よく働けるかと共にこういった制度の注意点にも気をつけてより良い仕事環境を目指していきましょう。
コメント